本車を製造するIMZ社(現ウラルモト社)(英:Irbitskiy Mototsikletniy Zavod 露:Ирбитский мотоциклетный завод)は、ロシア連邦
ウラル連邦管区スヴェルドロフスク州イルビト市に拠を置く大型オートバイメーカーであり、その主力商品「
ウラル」の製造元として知られている。世界でおそらく唯一、その主力商品が
サイドカーという珍しい
オートバイメーカーで、近年日本国内でも有名になっている外国車メーカーである。現在本企業は、旧共産国のメーカであるにもかかわらず、2007年現在のロシアの好景気も重なって、積極的に世界営業戦略を展開している。本項で詳述するウラルサイドカーは日本でも販売されており、新車を容易に入手可能。
2007年12月に、総代理店ウラルモト社日本法人「ウラルジャパン株式会社(下記リンク参照)」が設立された。欧米では「
コサックバイク」の俗称で呼ばれている。
ウラルサイドカーは、元々はドイツの
BMW社が製造していた第二次世界大戦に使用された軍用サイドカー
BMW-R71型の
コピーバイクが源流である。これは製造元のIMZ社も認めている。その最初期に製造された「ウラル」の名を冠する以前のサイドカーであるIMZ-M72型以降の改良型も基本的なエンジン設計は、BMW-R71や、その後継車種BMW-R75の
水平対向二気筒エンジンの発展改良型であり、オートバイファンの間では、良い意味では、古き良き時代の成熟した質実剛健的バイクの設計であり、悪く言えばまったく進歩のない設計のバイクとして知られている。そういう意味もあり、本企業の製造するバイクは、最新鋭の
テクノロジーを駆使した
スピード・
パワーを重視する
ライダーを対象にするというよりも、懐古主義的かつミリタリー嗜好な趣味性の強いバイクとして世界中で人気がある。そして何よりIMZ社の主力商品が「サイドカー」であるという昨今では類を見ない商品展開のため、世界で唯一のプロダクションモデルで、しかも他のカスタムメイドサイドカーや、メジャーなメーカーのサイドカーと比較して、非常に安価で(というよりも、中古車も含めば、比較にならないほどの安価ともいえる
[参考までに明記すると、日本の場合、2008年現在の中古車市場相場価格として、ウラルサイドカー2WD-650ccモデルの中古価格が、およそ60万円前後、1WDで40万円前後、2WD-750ccモデルで90万円前後、1WDモデルで70万円前後、最新モデルの新車価格でも本体価格は170万円前後で購入可能。ちなみにフランスの2WDサイドカー「メガゼウス」は新車価格約500万円、中古250万円〜400万円、第二次大戦中のビンテージサイドカー「ツェンダップKS750」のレストア車の価格が29000ユーロ(現地価格約470万円)ホンダ「シャドウ(750cc単車)」の新車価格が78万7500円という価格帯のため、ウラルがいかに安価かということがわかる(2008年現在)]
)サイドカーを購入できるという車種としても人気がある。日本では、その保守的な輸入自動車行政の関係上、まだまだマイナーなオートバイであるが、本車シリーズは世界で320万台余もの販売実績を持っており、2007年現在、世界で最も多く稼動するサイドカーの一つでもある。
当時、
ナチス・ドイツと対峙していた、
スターリン率いる
ソビエト連邦は、ドイツの
電撃作戦を目の当たりにし、自国の
機甲軍団装備の劣勢を悟っていた。特に当時のソ連では軽車両のエンジン設計技術でドイツよりも数段劣っており、ドイツ
機甲師団のような
戦車などの大型戦闘車両に随伴できる軽車両は非常に少なかった。特に
1939年第一次ソ・フィン戦争(冬戦争)によって、その機動力の強化を痛感し、
斥候任務や
士官移動用に性能の良いオートバイを求めるようになった。そして当時
連合国で同盟国であった
アメリカ合衆国・
ハーレーダビットソン社がR71を解析したXA型バイク
[外部リンク]http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Xa-600.jpgを少数製造したが、ハーレー社がV型エンジン開発に力を注いだため、水平型エンジンバイクの支援を待ち望んだソ連はそれをあきらめ、独自開発を行う事になった。しかし前記のとおり、当時のソ連の軽車両エンジンは旧式で、オートバイ用エンジンもその例に漏れず、
[外部リンク] TIZ-AM-600型や
[外部リンク] PMZ-A-750型、
[外部リンク] ИЖ(IZH・現イズマッシュ。カラシニコフ小銃のメーカー)シリーズというソ連独自のオートバイも存在したが、時の時流のオートバイ設計に比べれば全くの旧式で、後継バイクの開発に苦慮していたが、
スウェーデン人内通者によってBMW-R71型の設計図と車両本体がソ連にもたらされ、この車両と設計図を解析し、BMW-R71のまったくのコピーともいえるIMZ-M72を製造することになる。元々BMW-R71自体の基本設計が非常に優秀で、それをコピーしたIMZ-M72も非常に使い勝手がよく、大戦を通じてソ連軍の主力バイク。特にサイドカーとして製造された。大戦後、ソ連は当時のドイツ軍のオートバイ製造関連施設や資料、技術を接収することができ、完全な形で当時のドイツの主力車種、
[外部リンク] BMW-R75等のBMWシリーズ製造技術を入手することになる。このドイツの関連施設の接収と技術の吸収において、特に側車側の車輪も駆動させる
BMW-R75型独特の2輪駆動型サイドカーの製造技術が、現在の形の「ウラル」そして、ウラルの対抗車種「
ドニエプル」製造の基礎になるのである(2輪駆動機構のシステムでは、ウラルよりもドニエプルの方が、R75型に近い設計と言われている)