日本で最初に雪上車が使われたのは、1927年(昭和2年)
米国から輸入した前輪ソリ、後輪が履帯の雪上車で妙高温泉で使われた。今日、良く見る全装軌式雪上車は、
米軍の水陸両車両「ウィーゼル」を原型として、1951年に?大原鉄工所で開発した「ふぶき1号」が、日本での本格的な雪上車の開発であろう。
その後、?
大原鉄工所は「ふぶき5号」まで開発し、1953年?
小松製作所も雪上車開発を手がけ「KC-20」を発表し、1965年まで改良を加えつつ実用期を迎え、
南極観測にも低温性能に改良を加え使用された。しかし、南極での使用には材料的にも性能的にも南極の環境条件を克服する能力に欠け、極点までの往復の調査観測に使用する性能はなく、この目的のため1965年に「KD60]型雪上車が開発された。この頃から、雪上車は2極化、すなわち、当時の
スキーブームによるゲレンデ整備雪上車と多目的雪上車と用途別に発展した。多目的雪上車の最高技術的特長は、南極観測で使用されている「SM-100」シリーズで車両重量は11トン、稼動時の温度マイナス60℃、未稼動時の温度マイナス90℃の耐寒性能を持ち、3,000m高地での使用が可能で、最大
けん引は約12トンと雪上車としては世界的にも特筆される雪上車である。現在日本で製造販売されている雪上車は、ゲレンデ整備用雪上車(圧雪車)、多目的雪上車、
タイヤと
クローラが脱着可能な雪上車、
スノーモービルなどである。
雪上車は軟らかい積雪上を走行しなければならないこと、また、山岳地での登坂、旋回などの運動性も要求される。人間でも冬期の山岳登坂は積雪に埋没し歩行が困難なことは経験する。従って、雪上車は積雪に沈下しないことが性能上最重要課題である。雪上車が積雪へ及ぼす接地圧力は0.12kg/cm2以下にしなければ積雪運動性能に影響を及ぼし走行不能に怠ることが発生する。ゲレンデ雪上車はこのため履帯横幅を非常に長くして接地圧を確保している。車両の材料は軽量で強度に優れていることが要求され、加えて、低温性能に適応する部材材料が使用されるので雪上車は価格が高い。