金融工学における
プライシング理論は、
一物一価の考え方に基づくところである。経済学での議論における
需要と
供給の関係においてアロー・ドブリュー証券の仮定を置くことにより、同時点での将来価値が同値な
財は同じ現在価値を持つ、という前提を組み立てる。たとえば、株のコール
オプションと
債券と
株式を保有している投資家は、
ポートフォリオの組み合わせによって、瞬間的に
超過収益を得ることができない。この関係から、3者の価格においては均衡式を得ることができるのである。金融工学の理論は、金融実務と密接に結びついており、金融工学理論から得られた算式は
プライシング・
リスク管理・
会計の実務でも広く用いられており、金融工学の発展の背後には、金融実務への適用がある。
しかし、2008年現在、米国のサブプライムローン金融危機の元凶は、金融工学による過剰な信用付け証券化商品の破綻によるものではないかと疑われており、金融工学のイメージは悪化している。今後金融工学が学問領域として適切に発展するかどうかは、関係者の真摯な努力にかかっている。