陸上競技の場合、
トラック種目では競技中に突然故障を発生し、
ゴールラインを越える手前で、競技員や関係者などに手をかけられた瞬間に、棄権となる。いくら故障を発生しても、ゴールラインを手をかけられずに越えた場合は棄権とはならない。
マラソンや
駅伝の場合、よく「沿道の人が選手に手を触れたらその選手は即棄権となる」と言われるが、必ずしもそうとは言えない。一般的には、
公道レースで、かつ
競技場内に入っていない(または競技場を使わない)場合、マラソンや駅伝を主催する団体の競技員と記録員、及び当該選手の関係者(例えば、
オリンピックの場合はその国のコーチや監督)の合意がなされた時点で棄権となる。もちろん、マナー上沿道から選手に触れることは競技妨害であるので、絶対にしてはいけないが、たまたま運悪く選手に触れてしまったとしても、その選手は棄権となることはありえない。なお、明らかに選手に有利に働くような触れ方(例えば手助けなど)をした場合は、主催者の判断で棄権(というよりも
失格と言った方が正しい)となる。
スポーツの世界でとかく棄権ということがクローズアップされるのが、
駅伝競走である。特に
正月恒例の
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)では、棄権するまでの過程が
テレビ中継されることが多く、棄権校が出た大会後は選手への健康管理について議論される。駅伝の場合、途中で棄権してしまうと、そこで記録が途切れてしまうため、選手は故障を起こしても何とか記録だけは繋ごうと、
中継所や
ゴールを目指して痛々しく向かう。監督やコーチなども選手を必死に止めようとするが、選手側はここで自分が棄権してしまっては、
襷を繋いできた前の選手やこの後襷を引き継いでいく後続の選手達のことを考え、絶対に棄権するとは言わない。大概の場合は、主催者や記録員、所属チームの関係者3者の合意の上で選手を止める。駅伝の棄権に関し、世論的に盛り上がったのは、
1996年1月2日、第72回箱根駅伝往路4区で
神奈川大学の選手と
山梨学院大学の選手が棄権した際、特に後者の場合は中継車が選手の異常発生から棄権までを完全に追っていたため、「何故早く止めなかった」と論争を呼んだ。無論監督はすぐに止めようとしたが、先の理由から選手の意志が硬くなかなか止められなかったというのが真相である。