「東京消防庁」という名称は、「東京消防庁の設置等に関する
条例」の第2条第2項により定められている。混同されやすい組織名に
総務省の外局である「
消防庁」がある。しかし消防庁は
文化庁などのように政府機関であるのに対して、東京消防庁は地方の機関である。また、日本最大の消防組織である。
東京消防庁は東京都の内部機関であり、その管理権は東京都知事が有するが(消防組織法第27条参照)、同庁は「特別区が連合して」設置する機関であるため、その本来的な管轄は「特別区の存する区域」に限られている(同法第26条)。従って、この「東京都知事」とは「特別区の存する区域の首長としての(旧東京市長としての地位に相当する)東京都知事」を意味し、また、消防組織法における同庁の性格は「東京都の消防本部」ではなく「特別区の消防本部」ということになるため、同庁は「○○消防本部」や「○○市消防局」といった市(町村)の消防組織とは名称が異なるだけで、基本的には同じ位置づけであるといえる。なお、東京消防庁の管轄のうち、多摩地域が「受託(委託)区域」と呼ばれるのは、多摩地区の市町村は消防組織法第6条の原則により独自の消防責任を負担するところ、消防力の強化などを目的として、同法第31条により、特別区が連合して設けた消防組織である東京消防庁に対して消防事務を委託しているためである。
現在の「東京消防庁」に相当する組織は、
昭和23年(
1948年)3月7日に、それまで母体であった
警視庁消防部から分離独立したが、その段階では「東京消防本部等の設置に関する条例」に基づき、「東京消防本部」と称していた。ところで、同じ時期に警察制度の抜本的改正があり、旧
警視庁は
内務省の地方官署としての地位も失い、これと同時に特別区を管轄するために
東京都によって設置された
自治体警察として生まれ変わったのであるが、東京都の行政組織に改編された後も、首都警察としての面を有することもあり、なお従来の通り、
警視庁と称することを認められた。当時の敗戦下の日本を間接統治していた
GHQは、消防と警察の職責はともに重要であり、双方ともに同等の関係でなければならないという理念に基づき、東京都・警視庁・東京消防本部の三者に対し、東京の消防本部の名称とその長の職名も、警視庁・警視総監という名称・職名のように、その職責にふさわしいものにすべきであるという内容の指導をなし、東京都もこれを基本的に受け入れて現場で熟考を行い、「東京消防本部等の設置に関する条例」を「東京消防庁の設置等に関する条例」と名称変更するとともに所要の改正をなし、
昭和23年5月1日にこれを施行した。この条例の施行に伴い、「東京消防本部」は「東京消防庁」となり、同時に消防本部長の職名も
警視庁の
警視総監にならって「
消防総監」となったとされている。
[[外部リンク] 東京消防庁ホームページ消防雑学辞典「2つの消防庁」]