和賀山塊は、
東北地方の背骨として南北に縦走する奥羽山脈のうち、秋田県と岩手県の県境にある非
火山性の山地・
真昼山地から主峰の真昼山とその周辺域をのぞいた一帯をいう。和賀山塊の主峰は和賀岳(1440.2m)であり、北は
仙岩峠(せんがんとうげ、秋田県
仙北市田沢湖町・岩手県
雫石町)から、南は
真木(まぎ)渓谷(秋田県
大仙市太田町)、東は和賀川上流部(岩手県
西和賀町沢内村)、西は
抱返り(だきかえり)渓谷(秋田県仙北市角館町)に囲まれた、南北約40km・東西約20km、合計面積約3万
haをその範囲とする。行政地理上は、秋田県側の大仙市・仙北市・
美郷町、岩手県側の西和賀町・雫石町にまたがる。和賀山塊自然学術調査会
[外部リンク]1999の調査によって知られるところとなったように、その自然環境において際立った特徴をそなえた、原生自然度の高い地域である。「和賀山塊」とは、そうした点をとらえて特に区別するために和賀山塊自然学術調査会によって提唱された呼称であり、同会による調査報告書
[外部リンク] 1999の発表後、一般向けの登山案内書でも用いられる
[藤原ほか[外部リンク]2006、佐々木ほか[外部リンク]2007など。巨樹・巨木をとりあげた書籍でも用例が多く見られる。]ほどに人口に膾炙するようになった。
和賀山塊は、高山帯性から低地性まで、あるいは暖地性から寒地性までのさまざまな植物が混在し、希少植物に富む。また、最高峰の和賀岳でさえ2000mに満たず、決して高山とは言えないにもかかわらず、ほとんどの山は登山対象としては至難であり、
マタギや専門の山菜採りなどをのぞけば、核心地域における人的活動は皆無ではないにせよ僅かであった。くわえて、奥羽山脈に間欠的にあらわれる非火山性地域であることから、急激な火山活動に見舞われることがなく、動植物にとって比較的安定した生息環境が保たれてきた。