六朝時代は、中国における宗教の時代であり、六朝文化はこの時代に興隆した宗教を基に花開いた。一方では、
後漢代に盛行した神秘的傾向の濃厚な
讖緯説・
陰陽五行説の流れの延長上に位置づけられる。また、後漢末より
三国に始まる動乱と社会の激変に伴う精神文化の動揺が、従来の
儒教的な
聖人を超越した原理を求める力となったものと考えられる。
道教は、後漢代の
五斗米道に始まる。その教団が三国の魏によって制圧されると、一時、その系統は表には現われなくなるが、
4世紀初頭に、
葛洪が現われ、『
抱朴子』を著わして
不老不死を説く道教の教理体系を整備した。この時代の道教信徒として知られるのは、書聖の
王羲之である。その系統は、南朝梁の時代の
陶弘景に受け継がれ、茅山派(上清派)道教の教団が形成された。一方、北朝では、
寇謙之の新天師道が開創され、やはりその制度面での整備が、仏教教理も吸収する形で行なわれた。