自動車では
トレッドが等しい場合、ホイールベースの数値を大きくすると車体の前後方向の揺れ(
ピッチング)と蛇行(
ヨーイング)が抑えられ、居住空間が拡大できるという利点がある反面、
サスペンションからの入力に対する車体
剛性の確保が難しくなる、小回りが効かなくなるなどの傾向が出る。この数値を小さくすると小回りに優れるものの、ピッチングやヨーイングが大きくなる傾向が出る。誤解を招きやすいが、
ホイールベースが長い=コーナーリングが苦手となる訳ではない。
ホイールベースの外側、つまり車輪軸から車両端部までの距離を
オーバーハングといい、前輪軸から前端部までの距離を
フロントオーバーハング、後輪軸から後端部までの距離を
リアオーバーハングという。この3つの寸法は自動車の走行性能を左右する要素となる。乗用車においては、最近は、ホイールベースをなるべく大きく設定することで操縦安定性をと居住性を確保する設計が主流となっている。ただし、運動性(回頭性)を重視する
スポーツカーはこの限りではない。またオーバーハングがほぼ一定の
バス車両はホイールベースの長さが車体長に影響し収容能力に直結する。
二軸車でもボギー台車でも、通常は同一車両(同一台車)の車軸は向きが固定されており、自動車のようにカーブの内側を向けることはできないため、軸距が長くなると線路に掛かる圧力(横圧)が大きくなり、線路の歪みを引き起こして保線作業に手間が掛かるなどの悪影響が出てくる。横圧が大きくなりすぎると脱線をもたらす事もあるため、軸距を大きく取りすぎることはできない。一方、軸距を小さくしすぎると
蛇行動を引き起こす要因となる。脱線と蛇行動を抑止して高速走行を実現するためには、軸距と台車や車軸に取り付けられたバネの定数、台車の設計などの間に適切な関係を見つける必要がある。
ボギー車では、台車間の距離を長くすることで、軸距を伸ばすことなく車体を長くできる。しかしながら、いたずらに拡大すると曲線部で車体中央が
建築限界に抵触する恐れがあり、また、
軌道回路を利用して列車の現在位置を検知している場合、車輪の間隔があまり大きくなりすぎると検知に失敗してしまう(1つの軌道回路の長さより車輪間隔が大きくなってしまう)ことがあるため、ボギーセンターの長さも規制されている。